研究により一般的な食品包装に乳がんを引き起こす可能性のある物質が200種類含まれていることがわかった

食品包装フォーラムによる新しい研究により、プラスチック製品と紙製品の両方で日常的に使用される食品包装に潜む乳がんを引き起こす可能性のある物質が約200種類特定されました。これらの化学物質は食品接触化学物質(FCM)に多く含まれており、消費者を有害物質にさらす可能性があるため、大きな懸念を引き起こしています。この研究はFrontiers in Toxicology (https://www.frontiersin.org/journals/toxicology/articles/10.3389/ftox.2024.1440331/full)に掲載されています。この研究は、WHOの毒物に関する10の主要な特性に基づく方法を使用して特定された200種類の乳腺発がん性物質に焦点を当てています。このアプローチにより、科学者は分子特性に基づいて化学物質の発がん性を検査できます。これらの化学物質の一部はげっ歯類モデルでがんとの関連が明確に示されていますが、多くは未だグレーゾーンにあり、ヒトに関するデータが不十分なため現在は潜在的発がん性物質として分類されています。

研究チームは、化学物質やその他の物質がヒトに対して発がん性があるかどうかを定期的に調査している国際がん研究機関(IARC)が開発した「毒物の主な特徴」という概念を使用し921の潜在的な乳腺発がん物質のリストから調査を始めました。「その後、このリストを40,000以上ある食品接触材料の独自のリストと比較しました」と、主任著者のジェーン・マンケ博士は説明しています。これには、食品の包装だけでなく、食品加工機器の材料、食器、食品と接触するあらゆるものが含まれます。2つのリストを比較した結果、189種類の化学物質が重複していることを発見しました。そのうちのいくつかは、すでに発がん性物質として分類されており、残りは内分泌かく乱物質である可能性が高いと考えられていました。全体として、プラスチック製品では143種類の乳がんの可能性がある物質が、紙や板紙製品では89種類が検出されました。さらに、これらの化学物質のうち76種類については、包装材から食品に浸出することを示す強力な証拠があります。プラスチックは環境や健康への影響について長らく批判されてきました。しかし彼らのチームは、多くの消費者が紙や板紙製品、特にリサイクル素材に潜む潜在的な危険性に気付いていないと指摘しています。「リサイクル紙や板紙は化学物質の移行の最悪の原因の1つです」と同氏は説明する。スイスでは、有害化学物質が食品に浸出するリスクがあるため、食品接触用途でのリサイクル紙の使用を実際に禁止しています。一方、リサイクルされていない紙や板紙製品にもリスクがあります。調査では、検査された紙や板紙の47%に乳がんを引き起こす物質が含まれていることがわかりました。これは、プラスチックから紙に切り替える方が安全だと信じている人々にとっては衝撃的な事実です。消費者は、プラスチックだけの問題ではないことを理解することが重要です。

では発がん物質への曝露を減らすための実践的な行動とは？

食品包装からの化学物質への曝露を心配する消費者に対して、マンケ博士は実用的なアドバイスを提供しています。「考慮すべき主な要素は4つあります。高温、長期保存、食品の化学的性質、そして1食分量です」とアドバイスしています。トマトソースやマヨネーズなど、酸性または脂肪を含む食品は、包装から化学物質を吸収する可能性が高くなります。さらに、1食分量が少ないと、表面積と体積の比率により、化学物質の移行レベルが比例して高くなる傾向があります。特に長期保存食品には、ステンレス、ガラス、セラミックなどのより安全な容器に切り替えるのがよいでしょう。また、地元産のオーガニック食品を購入し、自宅で調理することが望ましいです。プラスチック製の電気ケトル、プラスチック製のヘラ、黒いプラスチック製のおたまは避けるべきで木製またはステンレス製の調理器具がよいです。まな板も同様です。木製またはガラス製に切り替え、プラスチックやシリコンは避けてください。私の好きな料理研究家のパトリス・ジュリアンは著書の中で繰り返しプラスチックや金属の調理器具は避け木製のヘラなどを勧めていました。どの国もこの問題の規制は遅れておりますが個人が購入する食品とその保存方法について十分な情報に基づいた選択を行うことで、自らを守るための措置を講じることができます。