米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会にて、Dana-Farber Cancer Institute(DFCI)の研究チームは、ステージIII大腸がん患者において抗炎症性の食事を心がけると、生存率が大きく上がることを報告しました。さらに、適度な運動を組み合わせることで、その効果はさらに高まることもわかりました。食事とがんの予後との関係において今回のような質の高い臨床研究は初めてです。
炎症を起こしやすい食事と、抑える食事
まず覚えておきたいのは、「どんな食事が炎症を強め、どんな食事が炎症を抑えるのか」ということです。
炎症を強めやすい食品(できるだけ控えたいもの)
- 赤身肉・加工肉(ハム、ベーコン、ソーセージ)
- 揚げ物やジャンクフード
- 精製された炭水化物(白パン、白米だけに偏った食事)
- 砂糖入り飲料(コーラや加糖紅茶など)
炎症を抑える食品(積極的に取りたいもの)
- 緑黄色野菜(ほうれん草、ケール、ブロッコリー、にんじんなど)
- 大豆製品(豆腐、納豆、枝豆)
- 魚(特にサーモン、いわし、サバなどの青魚)
- ナッツ類(くるみ、アーモンド)
- オリーブオイル
- 果物(ベリー類、りんご、オレンジなど)
- 飲み物(無糖の緑茶、コーヒー)
抗炎症食の一週間モデルメニュー
ここでは「家庭で実践できるシンプルな抗炎症食プラン」を紹介します。無理せず、できる範囲で取り入れてみてくださいね。
【月曜日】
- 朝:オートミール+ベリー+無糖ヨーグルト、緑茶
- 昼:雑穀ごはん+焼きサバ+ほうれん草のおひたし
- 夜:鶏むね肉のグリル+蒸しブロッコリー+味噌汁
【火曜日】
- 朝:全粒パン+アボカド+トマト+ブラックコーヒー
- 昼:豆腐と野菜の丼ぶり(しょうゆベース)
- 夜:鮭のホイル焼き+雑穀ごはん+わかめの味噌汁
【水曜日】
- 朝:納豆ごはん+具だくさん味噌汁(豆腐・きのこ・野菜)
- 昼:チキンサラダ(オリーブオイルドレッシング)+スープ
- 夜:いわしの煮付け+小松菜のおひたし+玄米
【木曜日】
- 朝:無糖ヨーグルト+はちみつ少量+くるみ
- 昼:ツナと野菜の全粒パスタ+サラダ
- 夜:豆腐ステーキ+焼きなす+味噌汁
【金曜日】
- 朝:フルーツ盛り合わせ(オレンジ・りんご・バナナ少量)+緑茶
- 昼:鮭おにぎり+野菜スープ
- 夜:サバの味噌煮+ほうれん草のごま和え+雑穀ごはん
【土曜日】
- 朝:オートミール+アーモンド+ブルーベリー
- 昼:鶏もも肉の照り焼き(少なめタレ)+サラダ+玄米
- 夜:豆腐入り野菜カレー(油少なめ)
【日曜日】
- 朝:野菜たっぷりスムージー(ほうれん草・りんご・バナナ少量)
- 昼:お寿司(特に青魚ネタを中心に)+味噌汁
- 夜:豚しゃぶ(脂身少なめ)+野菜盛り合わせ(ポン酢でさっぱり)
運動も大事!
食事だけでなく、週3回以上のウォーキング程度の運動を組み合わせることで、生存率の改善効果がさらに大きくなると報告されています。
まとめ
- 食事で炎症を抑える工夫(野菜・魚・大豆製品・オリーブオイル・ナッツ → 増やす、加工肉・砂糖 → 減らす)
- 適度な運動を週数回取り入れる
これらを組み合わせることが、大腸がん再発予防や長生きにつながる可能性があります。
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