がんを持つ動物に重水素を標識したMRIの画像を紹介します。この岐阜大学のHirofumi Asanoら放射線科メンバーによる革新的手法により生物が生きた状態でがんの代謝が分かります。このように重水素を標識したMRIでがんの活動を判定する試みは日本の岐阜大学を始め、世界でのいくつかの大学で既に研究が行われていて標識する重水素(deuterium)からdeuterium MRI(2H MRI)と呼びます。ヒト膵癌細胞の一つMIA PaCa-2を移植したマウスに30%D2Oを自由に飲ませたときの経過です。30%D2Oとは通常の水の重水素含有量は0.005%に対し重水素含有量は30%と高濃度です。より色が赤く濃いところほど多くの重水素が溜まっていることを意味します。日数が経過するにつれてより多くの重水素ががんに集積している様子が可視化されています。正常組織に比べがんがいかに成長に重水素を必要としているか一目瞭然です。がんを持っている人が正しいプロトコルに従い重水素濃度の低下を目指すのはがんに対するダメージがとても大きいことが分かります。
Deuterium Magnetic Resonance Imaging Using Deuterated Water-Induced 2H-Tissue Labeling Allows Monitoring Cancer Treatment at Clinical Field Strength
Clin Cancer Res 29 (24): 5173–5182, 2023より画像を引用
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