がん治療の鉄則はいくつもあります。そのうち自己努力によってプラスの方向へ向けれるものを紹介していきます。体重は絶対に減らさないように頑張ること。なぜならば、体重を減らせば免疫力が下がり、がんの成長に都合の良い環境になります。がんの食事療法として炭水化物制限を行う方がいらっしゃいますが、結果として体重が減りやすく免疫力は下がり、がんは成長へと向かってしまいやすいですから注意が必要です。Aさんは50代の女性でステージIIIB胃がんを手術した後、半年ほど経った時にお腹が張ってくると言って主治医に相談したところ、腹水が溜まる癌性腹膜炎となっていました。癌性腹膜炎は非常に治療の効きにくい状態です。平均的な余命は3ヶ月と言われています。標準治療を1コース受けて、その後は希望されず食事療法を行っている知人を頼り、炭水化物制限を行ったところ、腹水は3ヶ月経っても幸いあまり増えなかったのですが、体重が63Kgから42Kgへと激減してしまっていました。その状態で私の元へと相談に来られました。標準治療である化学療法はもちろんのこと、外来での点滴も勧めにくいほど衰弱されていました。歩くのは2~300メートルで疲れてしまうほど筋肉が減ってしまっていました。そこで私は有効性の高い重水素減少水をお勧めしました。重水素を減らした水を1日あたり1.5リットル飲んでもらうのです。1ヵ月が経ち、2ヶ月が経ち、明確な変化は見えてきませんでした。それどころか、食事量が1日に500キロカロリー位しか召し上がらないので、体重が36Kgまで減ってしまい通院も困難となっていました。どうしても炭水化物はがんが大きくなると思って食べれないと話されるので炭水化物よりもカロリー低下のために筋力や免疫力といった基本的な力が落ちてしまう今の方がよほど問題があることを告げて、クロワッサンやチキンスープにオリーブオイルを混ぜたりしてカロリーを800~1000kcal以上にして体重を引き上げることを提案しました。その上で3日ごとに1日あたりの食事内容を写真を撮って送るように伝えカロリーが上がっていくのがわかりました。ようやく5ヶ月目ぐらいから腹水が減り始め1コースが終わる頃には、お腹は逆に凹むようになり深刻な時期を脱出することができました。この方の例は食事療法のマイナス面が前面に出た極端な例でしたが軌道修正させてもらい治療の成果が出ました。化学療法の途中で食欲は低下して体重が減り結果として衰弱してしまうケースは少なからず見受けられます。くれぐれもがん治療をされている方は体重を減らさないように気をつけてください。
コメント
COMMENT