【国際会議報告】南アフリカG20サミット関連会合「Neuroscience 20 (N20)」に日本人として唯一登壇し、次世代の脳神経再生医療を提言

拝啓

晩秋の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

去る2025年11月、南アフリカ・ヨハネスブルグにて開催されましたG20サミット(主要20カ国・地域首脳会議)の公式ブレイン・マッピングおよび治療イニシアチブである「Neuroscience 20 (N20)」において、当センター代表の秋山が日本人として唯一選出され、Honorable Speaker(招待演者)として招聘・登壇いたしましたことをご報告申し上げます。

■ Neuroscience 20 (N20) について

N20は、脳・脊椎・メンタルヘルス分野における世界最先端の科学者、医師、政策立案者が集結する国際会議です。 本会合は、G20首脳に対して医療政策の提言を行うことを目的としており、本年はSBMT(Society for Brain Mapping and Therapeutics)創設者のBabak Kateb博士をはじめ、ノーベル賞受賞者を含む世界的権威が一堂に会し、人類の健康課題解決に向けた議論が交わされました。

■ 発表内容:臨床応用を加速させるエクソソーム研究の最前線

本会議において、私は「Accelerating Clinical Translation: Exosome Research at the Forefront of the Lab-to-Clinic Bridge」と題し、以下の先進的な研究アプローチと政策提言を行いました。

  • Exosome Research(幹細胞培養上清液、エクソソーム研究)と臨床への視座 従来の幹細胞移植とは異なるアプローチとして、細胞外小胞であるエクソソーム活用の有用性について発表いたしました。講演では、再生医療分野の研究過程で得られた実際の臨床データを提示し、その学術的な意義と将来的な応用可能性について、各国の専門家と深度ある議論を行いました。

  • Safety & Stability(安全性と安定性の追求) エクソソーム製剤の特性として、細胞そのものを用いないことによる、細胞移植特有のリスク(腫瘍化など)の低減が期待される点について詳述いたしました。また、保管・輸送面における管理のしやすさなど、医療インフラが十分に整っていない地域においても、高度な医療技術を展開できる可能性(Accessibility)についても言及いたしました。

  • Real-World Implementation(社会実装)とG20各国への導入提案 研究室での成果を速やかに臨床現場へ届ける「Lab-to-Clinic Bridge」の重要性を説き、G20各国において、この新しい医療技術の研究開発および社会実装を積極的に推進するよう提案を行いました。

■ 今後の展望:日本の取り組みがG20の「世界モデル」へ

私の提言と臨床データの提示に対し、各国の代表者からは高い関心と評価をいただきました。 その結果、今回のN20最終提言(Consensus Recommendations)の第12項において、「細胞療法へのアクセスを提供する上で、日本が有する政策フレームワークと同様のものを、G20全体で推奨する」という趣旨の文言が正式に採択されました。

これは、日本の再生医療に対する法整備や取り組みの枠組みが、世界標準のモデルとして国際的に認められたことを意味する、極めて意義深い成果です。

東京がん難病支援センターは、このN20での合意形成を基盤に、世界から模範とされる日本の再生医療研究をさらに発展させ、その成果を患者様への支援という形で還元すべく、邁進してまいります。

敬具

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