癌の標準治療は保険で認可された治療なので何時でも優先されるべきではありますが、がん患者さんから見て最も辛い副作用の1つに末梢神経障害があります。例えば手がじんじんしてものを持つのがきつい、文字が書きにくい、歩くと足がじんじんしてきつい、場合によっては歩けないといった症状があります。どの抗がん剤にもあるのではなく末梢神経障害が出やすい抗がん剤と分子標的薬があります。もしこういった症状があれば、病院ではリリカ、タリージェや牛車腎気丸といった薬が処方されます。痺れの程度にもよりますが、これらで収まる人は大体3割から4割程度です。生活の質を低下させる深刻な副作用です。私はこれらの薬が効かない場合には複合ミネラルの栄養剤服用をアドバイスさせていただいています。治療薬では治りにくい方も、8割以上の確率でしびれが緩和されます。50代で大腸がん手術後の肺転移で地元の病院にかかっていた男性(仮にEさん)は10カ所以上ある肺への転移巣よりも手足のしびれが辛くて何とかならないかとのことで相談にみえました。主治医よりリリカと牛車腎気丸は併用されており、それでもしびれのため生活に支障があるとのことです。在宅でお仕事をされて、仕事の合間に森に行っては野鳥を観察するのが大好きなEさんはしびれのため外出が制限されるのが何よりの悩みでした。いつものように複合ミネラルの栄養素を勧めさせていただき、3週間後に見えた際にはおかげさまでしびれが半分以下になったと喜ばれていました。
末梢神経障害を起こす抗がん剤はまだ進行形なので、継続して服用を勧めさせていただいたところ、さらに1ヵ月後には「先生、当初に比べしびれは2割以下になった感じです。あまり気にならなくなりました」とのことでした。その甲斐あってか標準治療は途切れることなく継続でき心のこもった野鳥の絵葉書をいただきました。
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